神之池空教官中村保輔中尉は、一九年八月四日、局地戟闘機「雷電」 で訓練中、着陸しようとして第四旋回に入った時、失速となり墜落殉職した。 この 「雷電」についてはその後この種事故が続発しておりその中には次の二名の期友があった。一か月後に厚木基地で上野博之が、そして一一月同じ厚木で作戦中の入江静則が不時着戟死したのである。雷電は、事故発生の多いことで有名な局地戦闘機であった。 中村中尉の事故はこの機の初期の頃のことであった。 彼は、柔道の猛者であり、候補生時代呉水交社の風呂に入って湯船につかっていた時、先輩の少佐殿が挨拶したという伝説の主ではなかったかと記憶している。飛行帽をかぶっているため多少緩和されているが彼の写真がそれを証明するかのようにほほ笑んでいる。 |