(戦況) この第二次船団の進出を支援するため、零戦三七機、紫電戦闘機六機及び陸上攻撃機八機の合計五一機が二八日量から夕刻にかけて、レイテ島東岸のタクロバン敵基地を制圧した。わが船団の攻撃に飛び立つ敵機をその基地で撃じょうする作戦であり、逝撃してきた敵機一〇機を撃墜し、基地所在のほとんどであるグラマン四〇機と大型機一機を炎上させたと報告された。この作戦は、船団部隊の揚陸をさせる上に大きく貢献したのである。 銃撃指揮官として参加した六三四空の福岡進中尉はタクロバン基地の制圧を終えたあと、更にドラッグ飛行場の銃撃を敢行、同飛行場に突入したが午後四時五五分、地上砲火の集中攻撃を受けて被弾し自爆した。 福岡中尉がパンパン基地を発進する時、たまたまこの基地にマニラから連絡にきていた南西方面艦隊司令部の整備参謀附の芥川義実が自鉢巻で機上にあった彼の出発を見送ったと回想する。出発直前であり、話しをする暇もなく、手を振って答えたという。 六三四空は、もともと母艦に配乗する飛行隊であり、福岡中尉も八月一四日附で空母竜鳳に乗艦を指定されていたとの記録が残っているが、その時の詳しい状況やその後戦況の推移に応じて母艦から降りて陸上基地から作戦し、そして比島に進出した状況等についての詳しい資料はない。 |