サイパン島の守備は、陸軍部隊が其の主力であった。この時期、この島にあった海軍部隊としては、南雲中将の中部太平洋艦隊司令部のほかに、この島の海軍施設の守備を担当する第五根拠地隊があり、またたまたま潜水艦作戟を指揮するためこの島に進出していた第六艦隊司令部(司令長官高木武雄中将)が所在し、その指揮下の潜水艦と在島附属部隊を指揮していた。 第五根拠地隊の主力は、第五五警帰隊と横須賀鎮守府第一特別陸戦隊(落傘部隊)等であり、その他、多くの附属部隊施設があった。この部隊に配属されていた期友は次のとおりである。 第五五警備隊 平田茂夫中尉 横一特別陸戦隊 斎藤 実、西山亮次、柳生喜代治、和久利芳夫の各中尉 このほか、潜水艦部隊関係者として附属隊の甲標的艇長深佐安三、後藤恭祐の各中尉があり、ロ号108潜に転任発令された浜本平治中尉がたまたま同島に到着したばかりであった。 平田茂夫中尉は、一九年三月一日附で武蔵乗組から第五五警備隊附となりこの地に着任した。この隊の任務は、サイパン島の海軍諸施設の陸上警備が主であった。この隊の最期についてはつまびらかでない。 |