(戦況) 大野勝雄中尉の乗艦するロ号114潜(艦長阿多義弘大尉)は、呉を出撃して六月言サイパンに進出、約一〇日間同地にあって出撃準備に当っていたが、前述のとおり出撃命令により出撃していったまま消息を絶った。 米資料によると、同艦は六月三日サイパンの南東方約一一〇狸、北緯三度二分、東経一四四度1一〇分の海域を水上航走中に、前出の池田中尉のロ号三六潜を撃沈したメルヴィン号とこれに協力したワッドレイ号により撃沈されていた。ロ号三六潜ともども内地から出撃した直後のことであり、当時の作戦がいかに急迫しており、十分な準備を与える暇がなかったかを示すものである。 |