(戦況) サイパン周辺で作戦していた潜水艦の多くは未帰還と絶ったが、上田良和乗艦のイ5潜は幸いにもトラックに帰投できた。同艦は、艦長土井与重少佐であり、三月末から五月二六日までの間、横須賀で修理整備に当っており、上田中尉は三月普通科学生を卒えてこの艦に着任した。 トラックで一息ついたこ、の艦は一四日同泊地を出港して、横須賀への帰国の途に就いたのであるが、そのまま消息を絶ちどこにも入港しなかった。 戦後の米側資料で、同艦も一九日サイパンの東方二〇〇浬を水上航走中、米駆逐艦ワイマン号(養田中尉の乗艦イ号芸を撃沈した艦)のレーダーに探知発見され撃沈されていたことが明らかになつた。 |