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その他の艦船の疎開状況

 ハルゼー機動艦隊の跳梁で太平洋側海域は最早わが艦船が行動できるところでなくなり、加えるに敵の敷設した機雷で航行は制限され、新造艦の就役練成も日本海沿岸、そのほかに疎開して実施せざるを得なくなった。従って、これら戦力をもたない上に戦闘または空襲で航行不能となったものばかりであった

(1) 瀬戸内海西部にあった艦艇
艦名 期友氏名 候補生時 その後の配置 備 考
  大友 有 日向・瑞鳳 普砲学生・汐風・萩・横鎮付 萩は山口県祝島付近で被爆後、そのまま呉で
  木金葆夫△ 武蔵・大鷹 矢矧△(大和特攻)・欅 神戸4突堤に係留、この海域の対空防衛に従事
石丸文義
 △△
長門
青葉
妙高
白露△(サイパン沖海戦前)
瑞鶴△(エンガノ岬沖海戦)
  高橋忠男 日向・大和 響・楡・樺 呉で
 椿 浅子義信 伊勢・長門
アンダマン
汐風・水雷長講習・椿 岡山沖で被爆中破後、呉
波風 伊吹寿雄 武蔵・多摩 球摩・霞・波風・機雷長 回天の搭載艦に改造・待機
 朝顔 (経)
井田龍男
行動不能  
    乗員が全員「樺」に移り、乗員なし  
 宵月   20年1月竣工、対馬海峡の護衛に従事。
6月5日、姫島灯台沖で被雷、小破
 春月 梶岡節夫 19年11月竣工、大きな作戦に参加することなく、内海西部で訓練後、重要船団を護衛する第1護衛艦隊旗艦として、鎮海、青島から南西方面への護衛作戦任務に従事

(2)日本海方面で待機の艦艇
酒匂 篠原範平 日向・香椎 多摩・酒匂(ギ・分隊長) 舞鶴で竣工直後
雪風 田口康生 伊勢・榛名 雪風 宮津湾で
清水 清
川添 透
(経)
宮田直之
扶桑
ラバウル
横鎮付・航海学校教官・響 新潟港で、日本海行動
   海防艦への通信中枢艦
夕風 谷 光司 武蔵・鬼怒 夕風 別府湾付近で訓練艦に協力
菫、初梅、楠、雄竹、柿、桂   何れも戦歴なし

(3)呉付近にあった乗艦の被爆で戦闘力消滅
利根 中村守二 長門・アンボン 飛鷹・横鎮付・出雲 江田内で着底
出雲 向井 功 伊勢・瑞鶴 呉鎮付・航海学校教官 江田島高須海岸で被爆転覆
八雲 川島 胖 長門・陸奥 那珂・4病院入院(トラック)
横海兵団
呉、被爆航行可能
復員輸送で活躍した
葛城 完成直後の正規空母   復員輸送で活躍した

(4)その他海域での疎開状況1 (まとめ)
所在海域 艦名 戦 歴 配乗の期友
横須賀 澤風 老朽艦で対潜目標艦の役目を果した   
行動不能
初桜 戦歴がないが、戦後相模湾に停泊した連合軍との連絡艦として派遣される
佐世保 涼月 防空駆逐艦の3番艦で同型艦の中で最も長命の2年7カ月半、大和水上特攻に参加して大破したが,後進にて佐世保に生還、修理することなく損傷箇所はそのままであった。岩越朴雄が当時の水雷長であった  
春風 19年末、潜水艦の魚雷を受けて艦尾切断、そのまま終戦まで佐世保に残存した
関門海峡 夏月 竣工はしたが、すでに戦局は傾き尽くし、燃料もなく、そのまま内海にあること4ヵ月、この間、6連灯台の沖で触雷損傷し小破のまま門司で終戦  
冬月 水上特攻での生残、終戦直後触雷、艦底切断 隊主計長
岡田正次
大湊 8月7日被爆し、沈没を免れて擱座  
  上柳 勇
青島
(中国・山東半島)
無償で活躍中 和田(大脇)修
 
(5〕乗艦する艦がなくなり特攻戦隊に移った期友
松本 崇 扶桑・羽黒 青葉・初梅(ギ・舞鶴) 海竜
戸倉与一 山城・海風 伊号54潜・24駆隊付・日向・夏月
綿貫 泰△△ 伊勢・ブイン・雄竹 川内△・山城・磯風△(大和特攻)
上柳 勇 長門・瑞鶴 春風
藤田勝雄 日向・青葉 空母「龍鳳」・橘 回天
笹尾惣太郎 武蔵・横鎮付 千歳△(エンガノ沖海戦)・長門・空母「葛城」 伏竜
山垣純一郎 武蔵・大淀ギ 早波△(タウイタウイ島近海)・潜校 海竜教官
大賀繁蔵 武蔵・愛宕 沖波 川棚魚雷艇訓練所・20震洋隊長
上村 進 日向・鳳翔 日向・水雷校(川棚) 45震洋隊長
芹野富雄△△ 扶桑・榛名 扶桑・榛名・ 時雨△(シャム湾)
川棚突教官・初霜△(大和特攻後
若狭湾で触雷沈没)
特攻戦隊に発令予定
白石芳一郎 武蔵・大和 沼風・冬月 電測学校
武山海兵団予備学生教官
川棚


(注 記)
 呉近郊は米艦載機の攻撃で残存艦隊の墓場と化し着底放棄、戦後解体処分   戦艦 伊勢,日向、榛名
巡洋艦出雲(旧式練習艦)
 空母竜鳳(大鯨の改造)  
 横須賀 戦艦「長門」が軽微な損傷
 舞鶴 空母「長鯨」が被弾・小破
復員輸送に活躍

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