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候補生前期実習終了により
隊付候補生で最前線の陸上部隊に初陣(71名)


 18年1月15日、昭和天皇への拝謁を終え、最前戦の艦隊航空隊、方面艦隊の陸上各部隊に配属、赴任した期友は71名であった。南西方面はまだ敵の反撃正面ではなかったので何物にもかえ難い快適な体験をしたことであろう。
 
 しかし、南東方面(ガダルカナル島方面)の勤務は熾烈なガ島撤退が待っていた。その支援が彼らの初陣であり、その間、山本五十六聯合艦隊司令長官の航空遭難の現場を捜索したブイン勤務の萩原和雄などがあった。
 
 6月1日海軍少尉になった時点で総員が本格的な配置に転任となる。これらの中から飛行学生に進んだものが多いのは、彼らに現地航空隊の貴重な勤務を体験させるべく海軍省人事担当局員の予定の配慮であったろうか。

1、南東方面の根拠地隊、警備隊、基地航空隊発令の期友
 トラック基地に初陣する戦艦「武蔵」と「瑞鶴」(護衛が神通を旗艦とする第10駆逐隊)に便乗、または所属の駆逐艦に乗艦して、トラック経由、草鹿校長、この方面の最高指揮官に着任したばかり、の待つラバウルに向かい、更に前線に赴任する者は駆逐艦等の便を利用した。待っていたのはガ島の守備隊の撤退であった。3名ずつ2組となり、艦、陸戦隊、航空隊での甲板士官的な勤務であったと聞く。

 ▲印の後の数字、例えば158は、クラスとして158番目の戦死者を示し、『同期の桜海兵第七十一期』の321頁のヘダー(上覧余白)に示してあるので詳細の戦没状況を知りたい方は一読されたい。

所属部隊 部隊の所在 期友氏名 実習艦 実務終了後の配属  その後の戦陣・▲印は戦没
第1根拠地隊 在ブイン

山本長官の遭難現場を捜索したと聞く
萩原和雄 日向 長鯨乗組後 普潜学生に
赤座 励 飛行学生 その後▲158
八十島奎三 山城 長鯨乗組 普潜学生に
川島英男 長門 長良乗組
入江静則 伊勢 飛行学生 その後▲184
田口英夫 隼鷹乗組 後、普潜学生に
第204航空隊 在ブイン 石坂光雄 日向 飛行学生△  
三宅春彦 山城 大淀乗組
戦後の戦病死▲331
平 末雄 武蔵 筑摩乗組 榛名
綿貫 泰 川内乗組△  
第701航空隊 永田慶十三 長門 金剛乗組 飛行学生にその後▲120
大山雅清 飛鷹乗組△  
古本 浩 山城   特潜
第252航空隊 ・在バラレ島
・部隊の移動でマシャール群島ルオット、タロアに移る
内藤良雄 日向 飛行学生 その後▲103
白石正義 その後▲221
小松宇太郎 山城 鹿島乗組  
伊沢勇一 伊勢 飛行学生 その後★252
第705航空隊 在ブナカナウ 市村吾郎
関根 幸 扶桑  
有薗 勝 山城 筑摩乗組 後普潜学生にその後▲045
柴 次郎 長門 最上乗組 兵学校教官 
 第802航空隊

飛行艇
水偵隊
在ショートランド 藤尾達司 伊勢 能代乗組 飛行学生に
大友英一 飛行学生 海自隊航空で殉職 
西山亮次 長門乗組 後サイパン島玉砕▲077
良田 勲 最上乗組 病気引き入れ
第8根拠地隊 後藤正之 長門 飛行学生 その後▲306
稲葉天洋 阿武隈乗組 普潜学生に
西村幸雄 日向 大井乗組
夕月△

マニラ
その後マニラ市街戦▲210
斉藤義夫 飛行学生 その後▲302
加賀谷武 大井乗組 普潜学生に
その後★223
徳永喜邦 武蔵 飛行学生 その後▲124
第81警備隊 在ラバウル 清水 清 扶桑 横鎮付 響砲術長
岡 文男 日向 飛行学生  
松本 宏 長門 飛鷹乗組 メリヨン陸警備隊赴任時(▲044)
第582航空隊 竹田 進 日向 飛行学生 その後▲187
新井伝次郎 能代乗組 その後
大和▲262
片岡 力 伊勢 飛行学生 その後▲285
第751航空隊 町田正雄 日向 その後戦病死▲323
巽 二郎 川内乗組 ラバウルで着任直後▲012
関野成夫 伊勢 妙高乗組 飛行学生に
鈴木正彦 扶桑 武蔵乗組 その後▲205
山崎健太郎 天霧乗組△
金剛
マニラ震洋隊▲212
第755航空隊 渡辺喜香 飛行学生  
川田龍雄 山城 航空兵器整備  
関野成夫 伊勢 妙高乗組 飛行学生に
第253航空隊 在カビエング 多賀俊雄 日向 飛行学生 その後▲115
渡辺朋彦 武蔵 大和乗組 その後
山雲▲136
鯨岡 洋 飛行学生  
大野隆司 伊勢 兵器整備学生  

2、南西方面の根拠地隊、警備隊、航空隊に発令
 豪華船「鎌倉丸」に便乗、1月28日横浜港の大桟橋を出帆、神戸、呉、高雄、マニラ、パリックパパン、マカッサル、シンガポールを経由し、最寄りの降船港から更に迎えの航空便、現地の老朽船等で夫々着任した。この船には歌手の藤原一郎氏の慰問団が乗船していた(堀端回想)。また、原隊の迎えの航空機で直接赴任した者もあった。

第4警備隊
<マカッサル→バリ島経由の航空便で3月3日到着>
在クーパン
チモール島
堀端徹夫 伊勢 飛鷹乗組△ 杉砲術長に
加来哲哉 武蔵 飛行学生 その後▲121
松友省平 その後▲280
第9特別根拠地隊 在ペナン
(マレー半島西岸)
海岸照順 その後▲107
山尾蔦樹 扶桑 扶桑 その後航空兵器に 
川西正一 伊勢 飛行学生 その後▲278
井上 忠 日向 翔鶴乗組 トラック警備隊に
第12特別根拠地隊 在アンダマ島
(ベンガル湾)
日向大美 扶桑 飛行学生 その後▲119
山崎仁郎 日向  
浅子義信 伊勢 長門乗組 駆逐艦に 
田中公夫
飛行学生
 
第24根拠地隊 在アンボン 清瀬一弘 山城
和久利芳夫 陸奥に発令されたが遠路赴任のため未着任 横特陸戦隊(在サイパン)に再発令、玉砕▲079)
中村守二 長門 翔鶴乗組 八雲分隊長 
奥津 汀 日向 現地で発病帰国後 兵器整備学生
第202航空隊 在ケンダリ 速水経康 扶桑 飛行学生  
有川純男 その後▲197
田中 弘 日向 鈴谷乗組 飛行学生に
乙部英爾 武蔵 熊野乗組
伊156潜
普潜学生に
第753航空隊 清水文郎 長門 兵器整備学生  
堀江一間 摩耶乗組  
上野博之 伊勢 飛行学生 その後▲316

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